テーマセッション概要
(1) ユビキタス時代のFA技術における理論と実践
オーガナイザ:荒井 栄司 (大阪大学), 若松 栄史 (大阪大学), 田中 俊二 (京都大学)
企画: ユビキタス時代のフレキシブル・オートメーション研究分科会
ユビキタス時代の「ものづくり」においては,生産システム自体のライフサイクルまで考慮して,環境変化に対応した柔軟な生産システム/FA技術が議論されるようになりました.その実現と取組みについては,知的メカトロニクス/複合工作機械,自律ロボット,3D-CAD/CAMや画像処理,といった個々の要素技術と,製品企画・設計から,受注・製造,流通ロジスティクスを含めたモノや情報の流れを管理するRFID応用,トータルな最適化を実現するための自律分散システムやスケジューリングなどのシステム化技術,トレーサビリティ・セキュリティ向上のための情報技術が重要となります.さらに大きな視点からは,グローバル生産を実現するための経営組織や経済活動を活性化するためのシステム工学アプローチなども進められています.本テーマセッションでは,以上のようなユビキタス時代における生産システム/FA技術に関わるさまざまな研究開発の成果を含む講演発表を募集します.皆様の積極的なご参加と研究発表をお願いいたします.
- メカトロニクス(ACモータサーボ機構,マイクロ駆動装置,DCモータおよびDC給電,モーションコントロール,DSP応用技術,新アクチュエータ・センサ,GPS・ジャイロ応用,赤外線応用,画像処理,ロボット加工システム,インターネット・ロボット,移動ロボット,飛行ロボット,電気自動車)
- 製品設計(ソフトウェアベースド製品,デジタル家電,コンカレント・エンジニアリング,CAD/CAM,3D-CAD,CIM,グループウェア,プロダクト・ライフ・サイクル・マネジメント,インバース・マニュファクチャリング)
- 工場設計・運用(3Dシミュレータ,搬送システム,物流システム,配送計画,AS/RS,RFID,E-カンバン,スケジューリング,生産計画,APS,生産設計,在庫計画,ラインバランシング,セル生産,オンライン/リアルタイムシステム,サステイナビリティ)
- グローバル生産(SCM,ネットワーク利用技術,CALS,国際高速配送システム,危機管理,グローバル統廃合方式,電子取引)
- 経営/経済との協調(ロジスティクス,企業統合指標)
- 理論・方法論(数理モデル,最適化,メタ戦略,ヒューリスティクス,ファジィ,強化学習,自律分散,離散事象,ハイブリッドシステム,シミュレーション,多変量解析)
(2) 創発システムと計算知能の新展開
オーガナイザ:小澤 誠一 (神戸大学), 尹 禮分 (関西大学)
動的に変化する環境の下での自律的な秩序形成・機能発現のための進化・適応能力を有するシステムは「創発システム」と呼ばれています.これまで,ロボットの知覚・行動・身体性の設計,マルチエージェント・自律分散システムの解析・設計,人間を含む異種の複数エージェントによるコラボレーション設計,経済活動の仮想社会シミュレーションなどの分野を対象に,環境や他者との双方向的相互作用と要素間のダイナミックな協力現象などにみられるインタラクションの諸相とその設計についても議論されてきました.一方,この創発システムを要素技術として支える,学習・進化・適応の計算モデルの発展もめざましく,追加学習,自律学習,マルチタスク学習,移転学習などに代表される計算知能分野の新しい展開にも目が離せない状況です.本テーマセッションでは,創発システムと計算知能の基礎理論・要素技術から適用事例まで,幅広い研究発表を募集します.奮ってご応募いただけますようお願い申し上げます.
- 基礎・数理(学習,適応,進化,発達,協調,認識,特徴抽出,知識獲得,自己組織化,記号接地,身体性,複雑系,移動知,カオス,ゲーム,神経振動子,セルオートマトン など)
- 計算モデル(進化計算,分布推定アルゴリズム,群知能,強化学習,オンライン学習,追加学習,自律学習,マルチタスク学習,移転学習,データマイニング,ベイジアンネット,人工生命,マルチエージェント,免疫システム,エージェントベースモデリング など)
- 創発システム(ヒューマン・インタフェース,適応システム,人間ー機械系,共創システム,情報場,コミュニケーション,コラボレーション,知覚と行動の創発 など)
- 適用事例(生物型人工システム,ソーシャルロボット,認知ロボティクス,群ロボット,自律分散システム,知的生産システム,社会経済システム,仮想市場,道路交通システム など)
(3) 意思決定と最適化 ー 理論と応用
オーガナイザ:巽 啓司 (大阪大学), 森 耕平 (神戸大学)
21世紀に入り,システム最適化や意思決定法は,生産・流通システム,通信・制御工学,金融工学などの分野だけでなく,環境学,政治学,分子生物学などの領域でも利用されてきています.これは,この20年間における様々な手法の開発と,計算機パワーの増大により,20世紀には不可能と考えられていた大規模かつ複雑な問題が解けるようになって来たためだといえます.また,それらの発展と共に,現実社会に現れる応用問題のモデル化技術も向上してきました.今後も,環境,高齢化など21世紀型の諸問題の解決手法として,システム最適化や意思決定法のニーズは,さらに増していくものと考えられます.
本テーマセッションでは,システム最適化と意思決定に関する理論,手法,応用およびそれらに関連するさまざまな研究を募集し,この分野の近年の動向を把握できる場を提供したいと考えています.
- 数理計画の理論と応用(連続,離散組合せ最適化,メタヒューリスティック,ファジィ理論など)
- 意思決定の理論と応用(効用理論,AHP,ANPなど)
- ゲーム理論とその応用(非協力ゲーム,協力ゲーム,進化ゲームなど)
- 実社会での応用(スマートグリッド,金融工学,サプライチェーン・マネジメントなど)
(4) グリーンテクノロジーと制御
オーガナイザ:滑川 徹 (慶應義塾大学), 平田 健太郎 (奈良先端科学技術大学院大学)
持続可能社会の実現のため,地球温暖化を防止する制御技術の開発が希求されています.エネルギー供給の観点からは,クリーンな分散型エネルギー源を中心とした電力エネルギーの統合的マネジメントによるエネルギーネットワークの構築、これを支える燃料電池を始めとするデバイスの制御技術、およびクリーン燃料・太陽光エネルギー・風力発電技術などのクリーンエネルギー制御技術の開発が急務です.一方地球温暖化の予測・評価において,エネルギーのグローバルな流れを知るための環境計測技術,センサネットワークなどの計測制御技術の開発も望まれています.更には現在の成熟社会においては,人と地球にやさしい技術としてロボットテクノロジーやヒューマンアシスト技術などのQoLの向上に関する制御技術も広義のグリーンイノベーションでしょう.本テーマセッションでは,以上のようなグリーンテクノロジー/グリーンイノベーションに関わるさまざまな研究開発の成果を含む講演発表を募集します.皆様の積極的なご参加と研究発表をお願い致します.
- エネルギー・環境のためのシステム制御理論(分散制御,協調制御,大規模システム理論,ゲーム/チーム理論,予測制御,最適制御理論,推定理論,ネットワーク制御)
- エネルギーの安定確保と供給のための制御技術(スマートグリッド,電力需要予測,系統安定化問題,燃料電池のモデリングと制御)
- 環境計測制御技術(センサネットワーク,センサスケジューリング,ネットワークセンシング,リモートセンシング,スマートシティ)
- QoL向上に関する計測制御とロボット(ロボットテクノロジー,ヒューマンアシスト技術,QoLサービス,介護ロボット,見守りロボット,遠隔制御技術)
(5) 生体メカニズムへの力学的アプローチ
オーガナイザ:石川将人(大阪大学),牛田俊(大阪工業大学)
ヒトの歩行や昆虫群の行動,あるいは個体の発生など,生物界に現れる形態と振る舞いの多彩さには枚挙に暇がありません.その不思議に挑む研究の世界には,最先端のテクノロジーを駆使した人工物の構成によって生物に迫るアプローチやその背後にあるシンプルかつロバストな力学的原理の探求など,魅力に満ちたテーマにあふれています.
本テーマセッションでは,生体メカニズムの解明や応用における工学的・数理的アプローチについて討論を行います.個体の運動や群れの挙動などの巨視的な機能の解明から器官や細胞内の微視的な現象にいたるまで,広く生物に関わる力学的現象を扱った研究を歓迎します.皆様の積極的なご寄稿をお待ちしております.
- 生物システム(生物の運動機能,筋骨格系,脳神経系,視覚フィードバック,小脳の運動制御機能,動物学,分類学,進化のダイナミクス,自己組織化,捕食モデル,バイオメカニクス,生体アクチュエータ,運動計測,ゆらぎ,構成的アプローチなど)
- 機械システム(ヒューマノイド,マニピュレータ,脚型ロボット,受動的動歩行,ヘビ型ロボット,跳躍ロボット,飛行ロボット,群ロボット,人工筋,バイオミメティクス,MEMS,視覚フィードバック,CPG,アクチュエータ,センサなど)
- 制御システム(制御工学,ロボティクス,メカトロニクス,サイバネティクス,モーションコントロール,非線形制御,力学系,分岐理論,適応制御,学習制御,強化学習,リアプノフ理論,自律分散系,非ホロノミックシステム,システム同定,内部モデル原理など)
(6) 人々の暮らしを支える情報通信技術
オーガナイザ:森直樹(大阪府立大学),宮本俊幸(大阪大学)
現代の人々の暮らしのありとあらゆる場面で情報通信技術は活用されています.暮らしとの距離が近くなるにつれて,ディペンダビリティ,ユーザビリティなど様々な要件が提唱されています.これらの要件を満たすためにソフトウェア工学や計算機科学において様々な研究がなされています.
本テーマセッションでは,これらの情報通信技術に関わる最新の研究成果について,理論・応用を問わず幅広く講演を募集します.
- 要件(ディペンダビリティ,セキュリティ,インターフェース,ユーザビリティ,QoSなど)
- ソフトウェア(ソフトウェア工学,モデル駆動開発,形式手法,ソフトウェアプロダクトライン,サービス指向など)
- アルゴリズム・計算(分散アルゴリズム,クラウドコンピューティング,ハイパフォーマンスコンピューティング,ユビキタスコンピューティング,進化型計算,データマイニングなど)
- 理論(サイバーフィジカルシステム,マルチエージェント,サービスサイエンス,複雑ネットワークなど)
- 応用(スマートグリッド,コントローラーエリアネットワーク,センサネットワーク,ソーシャルネット,電子商取引,eラーニング,拡張現実感,ソフトウェアエージェント,ITS,Webシステム,データベースなど)